寺澤辰麿会長の講演会(2022年11月29日)

11月29日(火)、寺澤辰麿日本コロンビア友好協会会長による講演会、「コロンビア憲政史と米国のラ米政策」を、当協会会員を対象にオンラインで開催しました。

本年8月、既存政治からの変革Cambioを掲げて登場したコロンビア憲政史上最初の左翼ペトロ政権は、内政・外交全般に亘る舵取り、就中、現行1991年憲法に対する政権としての評価・遵守姿勢と、コロンビアを対ラ米政策の要石として重要視する米国との二国間関係への対応が注目されています。折から政権発足直後の9月、会長は長年の研究成果である「コロンビア共和国憲政史」(風行社)を上梓され、それをベ-スに行なわれた今回の会長のご講演は、時宜を得たタイミングのものとなりました。

物事をよりよく理解するには、「川を遡り、海を渡らねばならない」をモットーとする会長は、モンロー第5代米大統領による宣言(1823年)以降、“モンロー主義”を掲げてラ米に干渉をしてきた米国のラ米政策という大きな歴史的背景の中で、国家創設期(スペインからの独立)以来のコロンビアの憲政史がいかなる変遷・発展を遂げてきたかという視点から、コロンビアの憲政史を余すところなく分析し、解説されるとともに、“現行の憲法は、その制定の手続き及び内容において、ラテンアメリカのみならず世界的にみても、優れた憲法に位置づけられるのではないか”と高く評価されました。

ご講演の詳細は以下の資料をご参照ください。(クリックしてください。)

「コロンビアの憲政史と米国のラ米政策」

 

幡谷則子上智大学教授の講演会  2022年10月31日

10月31日(月)16:00~17:30、幡谷則子上智大学教授による講演会、“ペトロ左派政権誕生―期待と課題”を、当協会会員を対象にオンラインで開催しました。

2018年にメキシコで始まった左派政権誕生のうねりが南米主要国にも押し寄せる中、本年8月、グスタボ・ペトロ元ボゴタ市長・上院議員が大統領に就任し、コロンビア史上初の左派政権が誕生しました。

Cambio変革を掲げて登場したペトロ大統領がどのような政策を打ち出すのか、期待と不安が交錯する中での船出となりましたが、幡谷教授からは、国会の政党別勢力図とウィングを左派Pacto Historicoから自由・保守・U党にまで広げた巨大与党連合の形成、学者・テクノクラートを多数登用した穏健左派ともいうべき新政権の布陣、PazTotal(完全なる平和)を始めとする10の公約、2016和平合意の核となる統合的農村改革実現のためのFEDEGAN(牧畜業者連合)との土地購入交渉に関する合意、ベネズエラとの外交関係復活やELN(民族解放軍)との和平交渉再開など、就任後3ヶ月間の動きについての詳細な解説が行われました。さらに近年の治安動向についての説明があり、大統領就任100日後(11月中旬)に打ち出される国家開発計画PNDの具体的内容が待たれるとの補足説明の後、質疑応答がありました。

サンティアゴ・パルド駐日コロンビア大使からのお別れのメッセージ

東日本大震災直後に来日されて11年、前半はFNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)東京代表として、又2019年からは駐日コロンビア共和国特命全権大使として両国関係の強化拡大に多大の尽力をされたパルド大使が、任期を終えて帰国されました。帰国に際して日本コロンビア友好協会の皆さまにお別れのメッセージを認められました。以下は、日本の文化や伝統をこよなく愛し、全国47都道府県を一つ残さず訪問されたというパルド大使の皆さまへのご挨拶です。

Estimados amigos de la Asociación de Amistad Colombia – Japón. 

En estos momentos que estoy culminando mi estadía de 11 años en Japón, inicialmente como Representante de la Federación Nacional de Cafeteros de Colombia y desde el año 2019 como Embajador de Colombia en Japón, quiero agradecerles a los miembros de la AACJ por la valiosa colaboración con la Embajada y con la comunidad colombiana en este país. 

Siempre fue muy grato para mi observar la conexión y el cariño especial hacia nuestro país de los miembros de la asociación, y cómo, aún con el pasar del tiempo desde la estadía de varios de los miembros en Colombia, la mayoría habla muy bien idioma español. En estos últimos años, la pandemia del COVID-19 hizo necesario que las actividades de la asociación se replantearan, sin embargo, nunca se perdió el dinamismo y la conexión con Colombia y con la Embajada. 

Espero que a partir del segundo semestre de 2022 que estaremos retornando ojalá a la normalidad y que la movilidad de los visitantes y empresarios aumentará, los vínculos entre Colombia y Japón – los cuales son complementados muy bien por las actividades de la asociación – continúen acrecentándose.  

Desde Colombia espero seguir en contacto con la AACJ y con todos ustedes. Siempre tendrán en mi un apoyo para esta importante Asociación.  

日本コロンビア友好協会の皆様

私の11年に渡る日本での生活が終わりを迎えようとしています。初めはコロンビアコーヒー生産者連合会の代表として、そして2019年からは駐日コロンビア大使として責務を全うして参りました。ここに、日本コロンビア友好協会の皆様へ、大使館及び在日コロンビア国民への多大なるご支援に感謝申し上げます。

友好協会の皆様との繋がりや我が国への深い愛情は、私にとっていつでも大いなる喜びでした。協会の皆様の多くがコロンビアに滞在していた時期から年数がたっておりますが、スペイン語を今でも流暢に話すことができます。近年は新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延により協会の活動が制限されておりましたが、皆様は常に活動的でコロンビアと大使館との繋がりを失わずにいてくれました。

願わくば2022年後半は以前の日常を少しでも取り戻し、旅行やビジネスの相互訪問者が増え、コロンビアと日本の関係が強化されることをお祈りしています。両国関係は友好協会の活動のおかげもあり、今後も成長を続けていくでしょう。

コロンビアに帰国後も友好協会の皆様、そして日本の皆様との繋がりを維持していきたいと思います。

和装のパルド大使ご一家

シリーズ「コロンビア音楽への招待 Invitación al Mundo de la Música Colombiana」第1-9回

日本コロンビア友好協会の会員の皆様にシリーズで紹介してきました「コロンビア音楽への招待」は第9回まで全ての回のメール配信を完了しました。ここでは第1回から9回分全てをまとめて再度掲載いたします。以下をクリックしてご覧ください。「コロンビア音楽への招待(第一回から第九回)」

第7回

(ダンス・タイプ別の説明=その3)  ※番号は全シリーズの連番です

11.Salsaサルサ、Merengueメレンゲ、Salsa Chokeサルサ・チョケ、 Bachataバチャーダ、Reguetónレゲトン、Zumbaズンバ)
(代表曲1)https://youtu.be/2XsWAoNcrFY  (Salsa有名曲のメドレー)
(代表曲2)https://youtu.be/3UzbhuSl5OE  (クンビア、バチャータ、メレンゲ、サルサ・チョケのメドレー)

(音楽カテゴリー4)コロンビアの伝統的サルサ (Salsa Colombiana)

  1. Cali Pachanguero(カリ・パチャンゲーロ)(Grupo Niche) [Salsa]
  2. Las Caleñas Son Como Flores(ラス・カレーニャス・ソン・コモ・フローレス:「カリの女性は花のごとく」)(Piper Pimienta) [Salsa]
  3. Buenaventura y Caney(ブエナベントゥーラ・イ・カネイ)(Grupo Niche) [Salsa]
  4. Mi Pueblo Natal(ミ・プエブロ・ナタル:「僕の生まれ故郷」)(Grupo Niche) [Salsa]
  5. El Preso(エル・プレソ:「囚人」)(Fruko y Sus Tesos) [Salsa]
  6. Rebelión(レベリオン:「反乱」)(Joe Arroyo)[Salsa]
  7. Caballo Viejo (カバージョ・ビエホ:「年老いた馬」)(Raquel Zozaya y Lucho Florez) -venezolana- [Salsa]

第8回

(ダンス・タイプ別の説明=その4)  ※番号は全シリーズの連番です

  1. El Bullerengue(ブジェレンゲ)

(代表曲)

“Bullengue”から

  • El Ventarrón(エル・ベンタロン)(Petrona Martínez)
  • La Vida Vale la Pena(ラ・ビーダ・バレ・ラ・ペーナ:「人生は生きるに値する」)(Petrona Martínez)
  • Es Hueso(エス・ウエソ:「それは骨」)(Petrona Martínez)

“先住民音楽とアフリカ系音楽のフュージョン”から

  • la Candela Viva(ラ・カンデーラ・ヴィヴァ:「生きているろうそく」) (Totó La Momposina)
  • Oye Manita(オジェ・マニータ:「妹よ」)(Totó La Momposina, by Berklee Latino Studio Recording)
  • Mi Suspiro(ミ・ススピロ:「私のため息」)(Los Gaiteros de San Jacinto)
  • Coroncoro(コロンコロ)(La Niña Emilia)

第9回(最終回)

(音楽カテゴリー5)コロンビアの現代曲 (Música de Hoy)

  1. La Gota Fria(ラ・ゴタ・フリア:「冷や汗」)(Carlos Vives)
  2. Fruta Fresca(フルータ・フレスカ:「新鮮な果実」)(Carlos Vives)
  3. Whenever, Wherever(Shakira)
  4. La Camisa Negra(ラ・カミーサ・ネグラ:「追憶の黒いシャツ」)(Juanes)
  5. La Invitación(ラ・インビタシオン:「(コロンビアへの)招待状」)(Jorge Celedón, Jimmy Zambrano)
  6. Cuando Nos Volvamos a Encontrar(クアンド・ノス・ボルベーモス・ア・エンコントラール:「再開の時」)(Carlos Vives)
  7. Nuqui(ヌキ) (ChocQuibTown)
  8. Te Invito(テ・インビト:「一緒に過ごそうよ!」)(Herencia de Timbiquí)
  9. Besos En Guerra(ベソス・エン・ゲーラ:「戦争へのキッス」)(Morat, Juanes)
  10. Hay Amores(アイ・アモーレス:「ある愛の物語」)(Shakira)
  11. Tacones Rojos(タコネス・ロホス:「赤いハイヒール」)(Sebastián Yatra)
  12. Colombia mi Encanto(コロンビア・ミ・エンカント:「愛するコロンビア」)(Carlos Vives)

 

(あとがき)

私は、某商社にて1981年から1983年までボゴタで語学研修、及び、カリのSan Buenaventura大学経済学部にてコロンビアの歴史、政治経済を学び、更に1986年から1990年まではボゴタに駐在しながら、バランキージャ、サンタマルタ等に毎週の様に出張を重ねてきました。研修時代には、ボゴタやカリで様々なフィエスタでクンビア、サルサを踊ったり、特にボゴタではJorge Tadeo Lozano大学合唱部の練習に参加してコロンビアの伝統的音楽を自ら歌ったりした経験を、又、カリでも大学の民族音楽の授業でBambucoなど様々な伝統的ダンスのステップを踏む体験もさせてもらいました。こうして、コロンビア音楽に若干詳しくなったことから、今回のプロジェクトに参加させて頂くことになりました。尚、私がコロンビア駐在から帰任した1990年以降にリリースされた曲(特に、第8回の先住民音楽と、第9回の現代曲)の選曲については、コロンビアの友人Hernando Navarro、Mauricio Rivera両氏他の絶大なる協力を得て、皆さんに自信を持ってお薦めできる曲集に仕上げることが出来ました。彼らの友情に、深く感謝したいと思います。今回のシリーズを通じて、皆様にコロンビア文化のとても重要な一部である、民族音楽の豊かさを感じ、楽しんで頂ければ幸いです。

佐藤友厚

シリーズ「コロンビア音楽への招待 Invitación al Mundo de la Música Colombiana」第4-6回

日本コロンビア友好協会の会員の皆様にシリーズで紹介しております「コロンビア音楽への招待」の第4回から6回分をまとめて掲載いたします。以下をクリックしてご覧ください。「コロンビア音楽への招待(第四回から第六回)」

第4回(音楽カテゴリー2)コロンビアの伝統的ダンス音楽 (Música Bailable Tradicional)

  1. San Fernando (サン・フェルナンド)
  2. Feria de Manizales(フェリア・デ・マニサレス)
  3. El Sanjuanero(エル・サンフアネーロ)
  4. Piragua(ピラグア:「カヌー」)
  5. Palo Negro(パロ・ネグロ:「黒い棒」)
  6. Las Tapas (ラス・タパス:「蓋をくれ」)
  7. Festival en Guararé(フェスティバル・エン・グアラレ)

第5回(ダンス・タイプ別の説明=その2) ※番号は全シリーズの連番です

  1. El Pasillo(パシージョ)(代表曲)Pasillo Fiestero Antioqueño
  2. El Joropo(ホローポ)(代表曲)ホローポ競技会での演奏(曲名なし)
  3. La Guabina(グアビーナ)(代表曲)Guabina Santandereana
  4. El Mapalé(マパレ)(代表曲)https://youtu.be/hhhVTxcx3Lc
  5. Currulao(クルーラオ)(代表曲)スミソニアン民族音楽フェスティバルから

第6回(音楽カテゴリー3)コロンビアの伝統的歌曲(Música de Antaño de Colombia)

  1. Pueblito Viejo (プエブリート・ビエホ:「小さな田舎町」)
  2. Soy Colombiano (ソイ・コロンビアーノ:「私はコロンビア人」)
  3. Campesina Santandereana (カンペシーナ・サンタンデレアーナ:「サンタンデールの田舎娘」)
  4. Ay Mi Llanura (アイ・ミ・ジャヌーラ:「我が愛する平原よ」)
  5. Llamarada (ジャマラーダ:「炎=ほむら」)
  6. Yo también Tuve 20 Años (ジョ・タンビエン・トゥベ・ベインテアニョス:「わが青春の日々」)
  7. Hurí (ウリ)
  8. Al Sur (アル・スール:「南へ」)
  9. Si Pasa por San Gil (シ・パサ・ポール・サン・ヒル:「もしサン・ヒルを通ったら」)