千代勇一帝京大学准教授の講演会

12月8日(金)、『違法作物栽培とその対策の変遷:ナショナル及びローカルの視点から』と題して千代勇一帝京大学准教授による講演会を、当協会会員を対象にオンラインで開催しました。

ご講演では先ずUNODC(国連薬物犯罪事務所)2023資料を基に、コロンビアに於ける最新のコカイン及びコカの動向(2022 年12 月末現在)が以下の通り報告されました。

・コカ栽培面積:230,000 ha、13%増加(2020-2021 は43%増加)
・コカインの推定生産量:1,738 t、24%増加(ほぼプトゥマヨ県分)
・コカ葉の推定生産量:1,410,600 t、24%増加
・全国1122 市のうち185 市にコカが存在  4市増加
・コカインの押収量:659,134 kg  1.5%減少
・ラボラトリオの破壊:4,707 箇所18%減少
・1km2あたり4~10 ha(密度)

続いて、先生ご自身が今年9月に現地に赴いて収集された最新情報と長年のご研究成果を踏まえて、以下の諸項目につき分かりやすく、広範囲に、且つ深く掘り下げたご説明をして頂きました。

1.コカ栽培とコカイン生産の歴史(インカ帝国など先スペイン期にさかのぼるアンデス地域におけるコカ葉利用の歴史―儀礼、医療、嗜好品など、20世紀半ば以降の米国でのマリフアナ・コカイン需要の拡大、コカ栽培がコロンビアに定着した理由等)
2.除草剤の空中散布(歴代政権の取組み、空中散布のメリットとデメリット)
3.違法作物代替開発(歴代政権の取組み、代替開発のメリットとデメリット)
4.麻薬ビジネスに群がる組織(多様な非合法組織と2016和平合意のインパクト)
5.コカ栽培には何が起きているのか?(栽培地域の分布と特徴)
6.麻薬問題の波及(コロンビアと国境を接するペルー、エクアドルでの栽培増加)

ご講演の詳細は下記リンクにアクセス頂ければご覧できます。
https://drive.google.com/file/d/10ShIBAGTDvz7vwLXBJk2Ftv9EY4Nn07Y/view?usp=drive_link