第12期(2023年度)定期総会・懇親会の開催

7月8日(月)、東京・麹町のメソン・セルバンテスに於て、第12期(2023年度)の定期総会と懇親会が開催されました。コロナ禍によりこの5年間、書面総会を余儀なくされていましたが、久し振りに会員の皆さまが親しく集う総会・懇親会となりました。

総会では、提出された3議案(第1号:2023年度事業・決算報告案及び同監査報告、第2号:2024年度事業計画及び予算案、第3号:役員選任の件)が全て異議無く承認されました。役員は、寺澤辰麿会長ほか7人の理事(森和重、内田康治、加藤恭一、岡村眞彦、福嶋寛、近藤正樹、エドアルド・カルデナス氏)が再任され、退任された前理事山崎正弘氏に代わって新たに横田安生氏(元コロンビア三菱商事社長、現千代田化工(株)営業本部長代行)が理事に、同じく前監事林健一郎氏に代わって金森久志氏(元JBIC NY駐在員コロンビア担当、現JBIC環境審査室長)が監事に選任されました。

総会後の懇親会には、寺澤辰麿大使、鹿野軍勝大使、林渉大使など元駐コロンビア大使を含む多くの協会会員が集い、来賓として、コロンビア大使館からフェルナンダ・バネガス臨時代理大使やゴメス商務参事官・Procolombia代表、外務省からは野口泰中南米局長、塚本康弘南米課長、渋谷理紗同課長補佐等が出席されました。バネガス臨時代理大使及び野口局長からは心温まる協会へのエールと、両国関係強化に向けた心強いご挨拶がありました。その後、局長のご発声で乾杯が行われ、メソン・セルバンテス自慢のパエヤなど美味しいスペイン料理とワインに舌鼓を打ちながら、和やかな懇談に時間を忘れる一夕となりました。

コーヒーセミナー“コロンビアコーヒーを楽しむ会”開催

6月5日(水)文京区のキャピタル(株)会議室にて協会10周年の記念行事のひとつ「コーヒーセミナー”コロンビアコーヒーを楽しむ会”」を開催いたしました。(総勢約30名の参加者)

コーヒーの香りが漂う中、13時に司会(町田武陽氏、個人会員)の開会宣言にて始まり、冒頭の森理事長ご挨拶に続き、FNC(コーヒー生産者連合会)東京事務所Sabogal氏より、ビデオも駆使し、コロンビアコーヒー全般、その多様性、安定高品質、世界第3位の安定生産量など特徴、優位性の詳細説明がありました。FNCの役割に関しての質問に対し、同氏からは約100年に亘り、常に生産者に寄り添ってきた歴史、経緯の開示、回答がありました。

続いて 野呂剛氏(個人会員、77-81年コロンビア駐在員、2012-23 PROCOLOMBIA シニアアドバイザー)より、1980、90年代のコロンビアコーヒー事情並びに興味深い裏話がありました。当時のFNC総裁(Jorge Cardenas氏)が世界のコーヒー生産国のリーダーとしてコーヒー消費振興、品質向上に奔走されていたとのご披露あり、また、FNCがコロンビアの最高級品 エメラルドマウンテンを日本市場に投入した経緯の説明がありました。

休憩を挟んで、いよいよ試飲会へ。

キャピタル(株)栗田社長が直々にコーヒー全般、農園から一杯のコーヒーまでの流れ、そして美味しいコーヒーの淹れ方の説明をされ参加者全員釘付けになりました。そして飲み比べはコロンビア(エメラルドマウンテン)に加え、インドネシア(マンデリンルビー)、エチオピア(モカ)の3点で味、香りの違いを十分にエンジョイいたしました。和気藹々の雰囲気の中、15時半過ぎお開きに。

総じて、奥深いコーヒーの世界を体験、満喫、特にコロンビアコーヒーのすばらしさ、魅力を(再)発見いたしました。

設立10周年記念誌発行!

平素は協会活動に対する皆様のご支援とご協力に厚く御礼申し上げます。

既に国内外の会員並びに関係の皆様のお手元にお届けし、ご覧頂いたかと思いますが、2024年2月末に「日本コロンビア友好協会設立10周年記念誌」を発行しました。

この記念誌発行の企画は、2022年の春頃から始めました。途中、コロナ禍のため協会設立10周年記念レセプションが1年延期された為、2023年9月1日の開催を待って、レセプション関連の記事・写真も掲載することにしました。その間、記念誌への祝辞・寄稿を頂いた関係の皆様には大変お手数をお掛けし、誠にありがとうございました。

協会の10年間の活動を文字と写真で振り返ることで、協会活動の足跡を改めてご確認頂くとともに、ご参加頂いた皆様方に感謝申し上げる趣旨で発行しました。

既に次の10年が始まっておりますが、協会としては今後とも日本とコロンビア両国民の間の相互理解と友好親善のために活動して参りますので、皆様方の変わらぬご支援をお願い致します。

尚、記念誌の追加部数をご希望の場合は、協会事務局迄お申し出下さい。

                      日本コロンビア友好協会事務局(Email: amistad.colombia.japon@gmail.com)

千代勇一帝京大学准教授の講演会

12月8日(金)、『違法作物栽培とその対策の変遷:ナショナル及びローカルの視点から』と題して千代勇一帝京大学准教授による講演会を、当協会会員を対象にオンラインで開催しました。

ご講演では先ずUNODC(国連薬物犯罪事務所)2023資料を基に、コロンビアに於ける最新のコカイン及びコカの動向(2022 年12 月末現在)が以下の通り報告されました。

・コカ栽培面積:230,000 ha、13%増加(2020-2021 は43%増加)
・コカインの推定生産量:1,738 t、24%増加(ほぼプトゥマヨ県分)
・コカ葉の推定生産量:1,410,600 t、24%増加
・全国1122 市のうち185 市にコカが存在  4市増加
・コカインの押収量:659,134 kg  1.5%減少
・ラボラトリオの破壊:4,707 箇所18%減少
・1km2あたり4~10 ha(密度)

続いて、先生ご自身が今年9月に現地に赴いて収集された最新情報と長年のご研究成果を踏まえて、以下の諸項目につき分かりやすく、広範囲に、且つ深く掘り下げたご説明をして頂きました。

1.コカ栽培とコカイン生産の歴史(インカ帝国など先スペイン期にさかのぼるアンデス地域におけるコカ葉利用の歴史―儀礼、医療、嗜好品など、20世紀半ば以降の米国でのマリフアナ・コカイン需要の拡大、コカ栽培がコロンビアに定着した理由等)
2.除草剤の空中散布(歴代政権の取組み、空中散布のメリットとデメリット)
3.違法作物代替開発(歴代政権の取組み、代替開発のメリットとデメリット)
4.麻薬ビジネスに群がる組織(多様な非合法組織と2016和平合意のインパクト)
5.コカ栽培には何が起きているのか?(栽培地域の分布と特徴)
6.麻薬問題の波及(コロンビアと国境を接するペルー、エクアドルでの栽培増加)

ご講演の詳細は下記リンクにアクセス頂ければご覧できます。
https://drive.google.com/file/d/10ShIBAGTDvz7vwLXBJk2Ftv9EY4Nn07Y/view?usp=drive_link

豊田哲也 ジェトロ・ボゴタ事務所長の講演会

10月16日(月)10:00~11:30、豊田哲也 ジェトロ・ボゴタ事務所長による講演会、“ペトロ政権発足1年:最新の政治・経済状況”を、当協会会員を対象にオンラインで開催しました。

2022年8月、コロンビア史上初の左派政権となったグスタボ・ペトロ元ボゴタ市長・上院議員が大統領に就任して1年余が経過、豊田所長から「新政権の動向」と「経済動向」について詳細な解説が行われました。概要は以下の通り。

【新政権の動向】優先的な国家の政策である「和平」について、新政府は旧FARCとの2016和平合意の履行に加え、ELN並びにそれ以外の4違法武装組織(旧FARC離脱グループ、旧パラミリタリー残党等)とも対話を通じての「完全な平和(Paz Total)」の実現を目指していること(4武装組織とは2023年1月1日から、ELNとは同8月3日から180日間の一時停戦継続中)、また「平等と社会正義のための税制改革」ではオカンポ蔵相の改革法案が成立し、法人税は据え置く一方、原油、石炭部門、水力発電部門への上乗せ課税を導入、外国企業の配当金に対する源泉徴収税率は20%へ倍増、富裕層へは実質的な増税を実現。更に「エネルギー・環境関連」では、環境保全に配慮した新エネルギー政策導入を標榜しているが、風力、太陽光など新エネルギー関連プロジェクトが一部地域住民の反対や地方政庁の許認可遅延で頓挫が相次いでいる等困難に直面しているとの説明がありました。

【経済動向】2022年通年のGDP成長率(実質)は7.5%。特筆すべきは対コロンビア外国直接投資FDI(フロー)が金融・石油・鉱山・商業などを中心に前年比82%増の173億9,300万ドルで過去最高額となったこと。2023年は当初インフレ上昇や新政策の不透明感が不安要素となり民間消費が低迷、投資も第2四半期に前年同期比マイナス24.0%と大きく落ち込んだが、消費は2023年後半に入り上向いており、FDIも上半期は増勢を維持していること、国債格付けではドゥケ政権下同様ペトロ政権下でもMoody‘sが投資適格のBaa2(Stable)、FitchとS&PがBB+(Stable)を据え置いている等の説明がありました。

政権の評価に関しては、ペトロ大統領や閣僚による突発的な意見表明、閣僚間の見解の相違など不透明感を助長することが多発し、本年8月世論調査では支持が33%、不支持が61%となっていること、今後注視すべき点として、地方選挙(10月29日)、抗議活動の多発(燃料、治安問題)、エネルギー関連における政府の明確な意思表示等をあげられました。